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The Doctrine of Immaculate Transfer/January 12, 2011, 2:55 PM

The Doctrine of Immaculate Transfer 無原罪移転理論

Dave Altig at the Atlanta Fed weighs in on Martin Feldstein’s much-quoted paper arguing that the United States and China will soon reduce or eliminate their current account imbalances. I think it’s worth saying a bit more about this, because there’s a common fallacy here ― not one Feldstein has fallen into, but which many others do. And talking about that fallacy is also a way to see why current yuan policy is a problem for the world.
アトランタ連邦準備銀行のデイブ・アルティグが、アメリカと中国の経常収支不均衡はすぐに縮減するか、消滅するという趣旨のマーティン・フェルドシュタインのよく引用される論文について意見を述べている。私はこのことに関して、もう少し語っておく価値があるのではないかと考えている。なぜなら、そこにはよく見られる誤謬があるからだ―フェルドシュタインはそうではないが、他の人はそれに陥っている。この誤謬について語ることは、なぜ、現在の人民元政策が世界的な問題となっているかを見るための一つの手段にもなる。

So, start with the basic accounting rule, which says that a trade deficit means that a country is spending more than it earns. What Feldstein is saying is that with US consumers starting to save more, and possibly with Chinese consumers starting to save less, these underlying imbalances may be en route to dwindling or even disappearing. Not so sure about Chinese saving, but given that premise, OK.
では、基本的な会計ルールから始めよう。それによると、貿易赤字は、一つの国が稼ぐよりも多く支出していることを示している。フェルドシュタインが言っていることは、アメリカがより多く貯蓄をするようになれば、あるいは、中国が貯蓄を減らすようになれば、根底にある不均衡は小さくなっていき、消滅するかもしれないということだ。中国の貯蓄については確信できないが、前提としてはOKだ。

The fallacy comes in when you say, “Well, given that it’s all about spending imbalances, exchange rate policy has nothing to do with it.” This is what John Williamson of the Institute for International Economics once dubbed the Doctrine of Immaculate Transfer. (Uh-oh, Erick Erickson’s gonna come after me …) It’s a popular fallacy, especially at the WSJ, although I’m not sure if it rises to zombie status.
誤謬は、次のような発言として現れる、「支出の不均衡が全てだとするなら、為替レート政策はまったく関係がない」。これは、国際経済学研究所のジョン・ウィリアムソンが、かつて、「無原罪移転理論」と名づけたものである(おっと、エリック・エリクソンに文句を言われそうだ)。私には、それがゾンビの地位にまで昇格するかは分からないのだが、特にウォール・ストリート・ジャーナルでは人気の高い誤謬である。

Anyway, imagine for simplicity that America and China are the only two countries in the world. And imagine that as consumer habits change, American spending falls by $400 billion while Chinese spending rises by $400 billion. Trade imbalance gone, right?
いずれにせよ、世界にはアメリカと中国しか存在しないと単純化して考えてほしい。そして、消費者の慣習が変わって、アメリカの支出が4000億ドル減少して、中国の支出が4000億ドル上昇すると想像してほしい。貿易不均衡は消滅すると言えるだろうか?

No, it’s not that easy. If US residents cut spending by $400 billion, most of that reduction ― say 75 percent ― will come in reduced spending on US-produced goods and services (even that Chinese pair of pajamas you buy at WalMart has a lot of US value-added in distribution and retailing.) So that’s $300 billion in reduced demand for US output. Meanwhile, a much smaller fraction ― say 15 percent ― of that extra Chinese spending will fall on US goods. So we’re talking about, say, a $240 billion net fall in spending on US goods and services; correspondingly, we’re talking about a $240 billion rise in demand for Chinese goods and services.
いや、話はそれほど簡単ではない。もし、アメリカの住民が4000億ドル支出を切り詰めれば、その削減のほとんどは―例えば75%―アメリカが生産している財サービスの支出を削減することになる(あなたがウォルマートで中国製のパジャマを買っていることが、流通と小売において、非常に大きなアメリカの付加価値になっているとしても)。だから、そのことは、アメリカの生産品への需要が3000億ドル減少するということだ。一方、追加で増えた中国の支出の内、より小さい断片―例えば15%―がアメリカの商品に費やされる。そこで、私が現在話している例で言うと、差し引きで見て、アメリカの財サービスへの支出は2400億ドル減少する。同時に今話している例で言うと、中国の財サービスへの需要は2400億ドル増加する。

If that’s the end of the story, then the spending shift produces a depressed economy in America and major inflationary pressures in China.
もし、話がこれで終わりなら、支出のシフトはアメリカ経済を落ち込ませ、中国に大きなインフレ圧力をかけることになる。

What’s needed to make it come out right is something to make both American and Chinese consumers switch some of their spending toward American goods ― something like a rise in the dollar value of the yuan, which makes Chinese goods relatively more expensive. So the redistribution of world spending and exchange rate adjustment are complements, not substitutes.
もっと適切な成果を得るために必要とされるのは、アメリカと中国の消費者が共に、その支出をアメリカの商品に移させるような何かである―人民元のドルに対する価値を上昇させるようなもの、それは中国の商品を比較的にもっと高価にする。そういうわけで、世界の支出の再分配と為替レートの調整は、代替的なものではなく、補完的なものだ。

Now, what matters is the relative price of Chinese and American goods, so there’s another way to get there ― a combination of inflation in China and deflation in America. But that’s unpleasant on both sides.
今、重要なのは、中国とアメリカの商品の相対的な価格である。そして、そこにたどり着くためのもう一つの手段がある―中国のインフレと、アメリカのフレの組み合わせだ。だが、それは両者にとって好ましいものではない。

Worse, what if China tries to head off inflation by raising interest rates while America can’t reduce rates, since it’s already at the zero lower bound? Then the result is contractionary for the world as a whole.
アメリカがすでにゼロ下限金利に直面しているため、金利を下げられない状況の中で、中国がインフレを避けるために金利を上げれば、どんな酷いことになるのか? その結果は、全体としての世界経済の縮小である。

Any resemblance between this story and actual characters is, of course, entirely intentional.
この筋書きと実際の状況が酷似しているのは、もちろん、完全に意図的なものだ。

The point is that Feldstein’s argument, if correct ― I’m not entirely sure about that ― is actually an argument for yuan revaluation, not an argument that it won’t be necessary.
重要なのは、フェルドシュタインの議論は、それが正しいのであれば―私は完全にはそれを確信できないが―人民元の切り上げが不要であるということではなく、それが必要であるという議論である。


翻訳の感想:クルーグマン自身の推奨記事。ここ
Erick Ericksonは、保守派のブロガー。こういう名前の人がやはり存在するんですね。


追記:山形浩生さんのコメントがあります。
・「潔癖な移転の理論」を「無原罪移転理論」に差し替え。
・「おっと、エリック・エリックソンが私に続こうとしている…」を
「おっと、エリック・エリクソンに文句を言われそうだ…」に差し替え。
・「私には、それがゾンビの地位を高めるものであるとは到底思えないのだが」を
「私には、それがゾンビの地位にまで昇格するかは分からないのだが」に差し替え。
・「いや、それは簡単なことではない。」を「いや、話はそれほど簡単ではない。」に差し替え。
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No title

Immaculate という言葉が通常使われるのは、マリア様の Immaculate conception という話だけで、これは「無原罪の宿り」と訳されるので、タイトルも無原罪にしたほうがいいかも。

Uh-oh, Erick Erickson’s gonna come after me …
come after は、単純に追いかけるという意味ではなく、犯罪者などを追いかけてつかまえようとする、訴える、等々という趣旨です。だからここは「エリック・エリクソンに怒られるぞ」とか「エリック・エリクソンに文句言われそうだ」とかいう話。

although I’m not sure if it rises to zombie status.
it (ここで指摘された誤謬)が、ゾンビの地位に昇格するかどうかはわからない、との意味。何度つぶされ否定されても復活してくる誤謬のことをゾンビ思想と呼んだりしますので、この誤謬がそこまでポピュラー&しつこいかどうかはわからん、との意。

No, it’s not that easy.
訳は「that」を見落としてます。「話はそれほど単純じゃない」ということ。

No title

山形さん
ご指摘ありがとうございます。
エリック・エリクソン自体はウィキペディアで調べて分かったんですが、なぜここでリンクも貼らずにこの人物の話が出てくるのか分かりませんでした。
ウォール・ストリート・ジャーナル(保守派)に人気のある説を「the Doctrine of Immaculate Transfer」などと茶化せば、エリクソンが怒り出すだろうという意味合いでしょうか。
またよろしくお願いします。
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